城野奈英子さんのご案内で「第11回 日展」を鑑賞しました(2025年1月5日実施)
「日本最大の総合美術展覧会」といわれる「日展」。
日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の五つの部門からなります。
東京での展覧会の後、全国各地で巡回展が行われるのが慣行です。
今回は京都市京セラ美術館で行われた巡回展に行ってきました。
ご案内は当協会の第3回目の交換留学生、また日展の準会員でもある城野奈英子(じょうの なえこ)さんです。
- 1993年開館し、2020年リニューアルオープンの京都市京セラ美術館
- 名前は知っているけれど初めて鑑賞する日展。すごく楽しみにしていました!
- この日の参加は10名ほど。お着物姿の城野さんを囲んで
- 2階から1階に降りていく順路で鑑賞しました
- 建物自体が素晴らしく、見どころ満載!
- 今年は京都の後、名古屋→神戸→富山と巡回の予定
まずは地下1階メインエントランスに参加者が集まり、階段を上がって中央ホールへ向かいました。
そして2階の日本画セクションからスタート。
城野さんによると東京に比べれば出展数は絞られているとのことですが、それでも圧巻の景色!
普段目にすることのないビッグサイズの絵画がずらり。
思わず息をのみました。
- 日本画の第一展示場へ足を踏み入れるとそこは別の世界のようでした
- 作家ご本人からの解説をいただけるという、なんて贅沢な体験!写真撮影もOKでした

城野さんの作品「たゆたふ」。夢のような浮揚感が見ていて心地よかったです
城野さんはお話が上手で楽しい方で、どんな素朴な質問にも丁寧に答えてくださいました。
私が長年疑問に思っていた「どうして日本画は陰影が薄いのか?」については、「日本画は心象を表すことが大事なので、写真のようなリアリティは重要ではない」とのことでした。
なるほど!すごくスッキリしました。
他にも「画材の顔料は高いものなら10グラム数千円」と聞いてから見ると「この1枚を仕上げるのに材料費だけでもン十万円・・・?」と見方が変わったり、「家の中で額に入れて仕上げたら、どうがんばっても外に出すことができなくて、絵を分割する羽目になったりすることも」という裏話に新鮮な驚きを覚えたり。
また、「京都市京セラ美術館は自然光をたっぷり取り入れているので、外光の入らない会場で見るのとまた違った味わいがある」「私見だけれど、京都の作家が描いた絵は京都で見た方がしっくりくる」など、本当に作家さんならではの視点にとても勉強になりました。
- 魂を込めて制作された作品群だからこそ、鑑賞する側もエネルギーが必要なんですね
- 美術館を出た後はお隣の「みやこめっせ」に移動。中のカフェで休憩しました
- 一緒に美術館を回っての感想を述べあったり、フィンランドとの関りを語ったり。まったりタイムでした
城野さんの魅力的な解説付きで日本画のセクションを堪能した私たち。
かなりの時間と集中力を消耗してしまいました。
(全部の部門をじっくり鑑賞するなら2日間ぐらい必要かも)
それでも一流の作品の数々に心が満たされ、豊かな時間を過ごすことができました。
美術鑑賞、やっぱりいいですね。